M&A会社おすすめ比較【2026年】手数料・実績と「相談前にやるべきこと」を専門家が解説

建物の模型を手渡すビジネスパーソンと「M&A会社おすすめ比較【2026年】手数料・実績と「相談前にやるべきこと」を専門家が解説」の記事タイトル

「M&A会社が多すぎて、どこに相談すればいいかわからない」

「会社を売却するなら、一度きりだからこそ絶対に失敗したくない」

事業承継や会社売却を検討し始めた経営者の方から、このようなご相談を数多くいただきます。

実際、全国の社長の平均年齢は2025年時点で60.8歳となり、35年連続で過去最高を更新しています(帝国データバンク)。また、廃業予定企業の約3割が「後継者不在」を理由に挙げており、M&Aは中小企業にとって身近な事業承継の選択肢となっています(中小企業庁)。

一方で、M&A会社は数多く存在し、得意分野や支援体制、手数料体系もさまざまです。十分に比較せずに相談先を決めてしまうと、自社に合わない相手を紹介されたり、想定以上の手数料がかかったりする可能性もあります。

本記事では、M&A会社の選び方を解説するとともに、大手・中堅各社の特徴や手数料の相場、失敗しないための5つの判断軸をわかりやすく紹介します。

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M&A会社とは?仲介・FA・その他の相談先の違い

M&A会社とは、企業の売却や買収を希望する企業同士をつなぎ、相手探しから企業価値の算定、条件交渉、契約手続きまでをサポートする専門会社です。

特に中小企業のM&Aでは、専門的な知識や交渉が必要になるため、多くの企業がM&A会社へ相談しています。

M&A会社が提供する支援には、大きく「仲介型」と「FA(ファイナンシャル・アドバイザー)型」の2つがあります。また、M&Aは金融機関や税理士などへ相談することも可能です。

項目

概要

仲介型

売り手・買い手の双方を支援し、条件を調整しながら成約を目指す

FA(ファイナンシャル・アドバイザー)型

売り手または買い手のどちらか一方を支援し、依頼者の利益最大化を目指す

その他の相談先

金融機関・商工会議所・税理士など。相談内容や支援範囲が異なる

以下では、それぞれの違いを見ていきましょう。

仲介型とFA(ファイナンシャル・アドバイザー)型の違い

仲介型は、売り手と買い手の双方の間に立ち、条件を調整しながら成約を目指します。双方と契約を結ぶケースが多く、中小企業のM&Aでは主流となっている支援形態です。

一方、FA(ファイナンシャル・アドバイザー)型は、売り手または買い手のどちらか一方のみと契約します。依頼者の利益を最優先に交渉を進めるため、売却価格や契約条件に強くこだわりたい場合に適しています。

金融機関・商工会議所・税理士などとの違い

M&Aの相談先は、M&A会社だけではありません。金融機関や税理士、商工会議所などでも事業承継に関する相談を受け付けています。

ただし、これらの機関は税務・財務や経営相談などを中心に支援することが多く、買い手探しや条件交渉、契約締結まで一貫してサポートするケースは限られます。そのため、実際にM&Aを進める際は、専門のM&A会社と連携するのが一般的です。

M&A会社のおすすめの選び方|失敗しない5つの判断軸

M&A会社は、どこを選んでも同じというわけではありません。得意な業種や案件規模、手数料体系、サポート体制は会社ごとに異なるため、自社に合ったパートナーを選ぶことが重要です。

具体的には、以下5つのポイントに注目して相談先のM&A会社を選ぶとよいでしょう。

  • 自社と近い業種・規模の成約実績があるか
  • 手数料体系が明確で、自社に合っているか
  • 担当者の経験や対応力を信頼できるか
  • M&A支援機関登録制度に登録されているか
  • 利益相反のリスクや支援体制を確認できるか

特に重要なのは、相談前に自社の企業価値を把握しておくことです。企業価値の目安がわかっていれば、提示された譲渡価格や条件が妥当かを判断しやすくなります。

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主要M&A会社の比較|大手・中堅の特徴を整理

M&A会社には、大手から特定業種に特化した会社までさまざまな選択肢があります。

ここでは、主要なM&A会社の特徴や強みを公開情報をもとに比較しました。ランキングではなく、それぞれの特徴を理解し、自社に合った会社を選ぶための参考としてご覧ください。

大手上場4社について、1社ずつ特徴をご紹介します。

日本M&Aセンター|累計成約11,000件超、業界最大級のネットワークが強み

日本M&Aセンターは、M&A成約実績が累計11,000件を超える業界最大手です。年間の取扱件数はギネス世界記録™にも認定されており、実績の豊富さは他社と一線を画します。最大の強みは、全国の地方銀行の約9割、信用金庫の約8割、1,100を超える会計事務所と提携した国内最大級の情報ネットワークで、地方の事業承継案件に強みを持っています。料金体系は他社と異なり着手金制度を設けており、成功報酬に加えて着手金がかかる点に注意が必要です。近年は中堅企業向けやクロスボーダー案件への展開や、ガバナンス体制の強化に継続的に取り組んでいます。

M&Aキャピタルパートナーズ|株価レーマン方式を採用する独立系企業

M&Aキャピタルパートナーズは、2005年設立、東証プライムに上場する独立系のM&A仲介会社です。相談料・着手金・月額報酬は不要で、基本合意時の中間報酬(手数料総額の約10%)と、成約時の成功報酬のみを受け取る料金体系を採用しています。成功報酬の算定方法にも特徴があり、一般的な「移動総資産」ではなく、「株式価値(株価)」のみを基準とする株価レーマン方式を用いている点が他社との違いです。中堅・中小企業の事業承継支援に特化しており、銀行や証券会社の系列に属さない完全独立系という立ち位置も特徴です。

ストライク|インターネットM&Aマッチング「SMART」が特徴

ストライクは、公認会計士の荒井邦彦氏が1997年に創業した、東証プライム上場のM&A仲介会社です。日本M&Aセンター、M&Aキャピタルパートナーズと並び「仲介御三家」の一角とされます。最大の特徴は、日本初のインターネットM&Aマッチングサービス「SMART」を運営していることで、秘密保持契約の締結後、公認会計士や弁護士を含む専門チームが企業評価を行う体制を整えています。料金は基本合意報酬と成約報酬のみで、相談料・着手金・月額報酬は無料です。2026年7月には、SMARTを「M&A担当者の意思決定支援プラットフォーム」としてリニューアルし、ナレッジメディア「SMART M&Aナレッジ」も創刊するなど、オンラインマッチングとアドバイザーの併用に力を入れています。

M&A総合研究所|AI活用で最短43日のスピード成約

M&A総合研究所は、2018年設立と4社の中で最も新しく、わずか数年でグループの持株会社が東証グロース市場(現在はプライム市場)へ上場するなど急成長を遂げたテクノロジー志向の企業です。最大の強みは、AIを活用した独自のマッチングシステムで、従来は担当者の経験や人脈に依存していた案件開拓の精度を高め、成約スピードを大幅に短縮しています。実際に、最短43日という業界トップクラスのスピードでの成約実績もあります。料金面では、譲渡企業側の着手金・中間金・月額報酬を一切取らない完全成功報酬制を採用しており、費用面のハードルの低さも特徴です。

なお、上記はいずれも各社の公開情報をもとに整理した特徴であり、優劣を示すランキングではありません。特徴や実績は変動するため、相談前に各社の公式サイトで最新情報を確認しましょう。

なお、大手だから最適とは限りません。小規模案件や特定業種では、専門性の高い中堅・特化型のM&A会社のほうが適しているケースもあります。

後悔しないためには、複数社へ相談し、提案内容や手数料、担当者の対応を比較したうえで依頼先を決めることが大切です。

M&A会社の手数料|費用の種類と確認しておきたいポイント

M&A会社へ依頼する際は、どのような費用が発生するのかを事前に確認しておくことが大切です。手数料体系は会社によって異なりますが、一般的には以下のような費用が設定されています。

費用の種類

発生タイミング

着手金

契約時

中間金

基本合意締結時など

成功報酬

成約時

料金体系は会社によって異なりますが、近年は着手金や中間金を無料とし、成功報酬のみを受け取る「完全成功報酬型」を採用する会社も少なくありません。一方で、最低報酬額が設定されているケースも多いため、費用の総額を事前に確認することが重要です。

また、成功報酬の算定には、レーマン方式が採用されるのが一般的です。これは取引金額に応じて段階的に報酬率を設定する計算方法で、多くのM&A会社で利用されています。ただし、どの金額を基準に計算するか(株式価額・企業価値・オーナー受取額など)は会社によって異なるため、契約前に確認しておきましょう。

なお、費用負担を抑えたい場合は、事業承継・M&A補助金(専門家活用)の活用も選択肢の一つです。M&A支援機関登録制度に登録されたFA・仲介会社へ支払う手数料などが補助対象となるため、利用を検討する場合は、登録事業者かどうかも確認しておくと安心です。

M&A会社に相談する前にやるべきこと|自社株価の把握が第一歩

M&A会社へ相談する前に、まず確認しておきたいのが自社の価値(株価)です。

理由はシンプルで、自社の価値がわからなければ、M&A会社から提示された譲渡価格や条件が適正なのか判断できないためです。

また、自社の株価はM&A以外の事業承継方法と比較する際の判断材料にもなります。

相続税評価額とM&A譲渡価格は別物

株価と聞くと一つの価格をイメージしがちですが、事業承継では主に「相続税評価額」と「M&A譲渡価格」の2つがあります。

相続税評価額は、国税庁が定める財産評価のルールに基づいて算定される価格で、親族内承継や相続の場面で用いられます。

一方、M&Aの譲渡価格は、買い手が企業の収益性や将来性を踏まえて決める市場価格です。そのため、事業の将来価値である「のれん」が評価され、相続税評価額より高くなるケースも少なくありません。

相続税評価額とM&A譲渡価格の違いを示す図。M&A譲渡価格は同じ評価額に「のれん(将来の稼ぐ力)」が上乗せされる分だけ高くなりやすい

承継方法によって基準となる株価は異なるため、M&Aだけを前提に検討するのではなく、自社の株価を把握したうえで最適な承継方法を判断することが重要です。

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弊社の「かんたん株価試算」では、相続税評価をもとにした自社株価を無料・最短5分で試算できます。

試算結果では、現在の株価だけでなく、想定される相続税額まで確認可能です。

なお、試算に必要なのは、最新1期分の決算書と法人税申告書2期分(2期連続赤字の場合は3期分)のみです。M&A会社へ相談する前に、まずは自社の価値を把握することから始めてみましょう。

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M&A以外の事業承継という選択肢|親族内・従業員承継との比較

事業承継を考える際、M&Aは有力な選択肢の一つですが、唯一の方法ではありません。親族へ引き継ぐ「親族内承継」、役員や従業員へ引き継ぐ「従業員承継」、第三者へ譲渡する「M&A(第三者承継)」には、それぞれメリット・デメリットがあります。

どの方法が適しているかは、後継者の有無や会社の状況、経営者の意向によって異なるため、各手法の特徴を理解したうえで比較・検討することが大切です。

承継方法

メリット

デメリット

親族内承継

経営理念や企業文化を引き継ぎやすい

後継者の育成や相続・贈与に伴う税負担が課題になる

従業員承継

事業を理解した人材へ引き継げる

株式の取得資金や資金調達が課題になりやすい

M&A(第三者承継)

後継者がいなくても事業や雇用を引き継げる

買い手探しや条件交渉に一定の時間を要する

なお、重要なのは「どの承継方法を選ぶか」を先に決めることではありません。まずは自社の価値を把握したうえで、それぞれの選択肢を比較することです。

自社株価がわかれば、親族内承継や従業員承継で必要となる税負担や株式の引き継ぎ方法を検討しやすくなるだけでなく、M&Aでどの程度の譲渡価格が期待できるかを考える際の基準にもなります。

事業承継で後悔しないためにも、まずは自社の価値を把握し、そのうえで自社に最適な承継方法を選択しましょう。

M&A会社に関するよくある質問(FAQ)

最後に、M&A会社に関するよくある質問を取り上げて紹介します。

仲介とFAはどちらがいいですか?

どちらが適しているかは、M&Aの目的によって異なります。中小企業の事業承継では、売り手と買い手の双方を支援する仲介型が一般的です。一方、売却価格や契約条件を重視する大型案件では、依頼者の利益を優先して交渉を進めるFA型が適している場合があります。

自社の会社はいくらで売れますか?

M&Aの譲渡価格は、会社の業績や資産だけでなく、成長性や業界動向、買い手企業との相乗効果などによって決まるため、一律には算出できません。まずは自社の株価を把握しておくことで、売却価格の目安や事業承継の方向性を検討しやすくなります。

相談は無料でできますか?

初回相談を無料としているM&A会社は多くありますが、料金体系は会社によって異なります。着手金や成功報酬の有無、最低報酬額なども含めて、契約前に確認しておくことが大切です。なお、弊社では株価試算と初回30分のオンライン相談を無料でご利用いただけます。

補助金は使えますか?

はい。事業承継・M&A補助金(専門家活用枠)を利用できる場合があります。ただし、利用するFA・M&A仲介会社がM&A支援機関登録制度の登録事業者であることなど、一定の条件があります。

M&A以外の選択肢はありますか?

あります。主な方法には、親族内承継、従業員承継、M&A(第三者承継)の3つがあります。それぞれメリット・デメリットが異なるため、自社の状況や株価、後継者の有無などを踏まえて最適な方法を選ぶことが重要です。

まとめ|M&A会社選びは「自社の価値を知ること」から

M&A会社を選ぶ際は、実績や手数料だけでなく、自社の業種や案件規模に合った支援を受けられるかを見極めることが大切です。また、M&Aは親族内承継や従業員承継と並ぶ事業承継の選択肢の一つであり、自社の状況に応じて最適な方法は異なります。

その判断の土台となるのが、自社の価値(株価)を把握することです。あらかじめ株価を把握しておけば、提示された譲渡価格や条件が妥当かを判断しやすくなり、事業承継の選択肢も比較しやすくなります。

弊社の「かんたん株価試算」では、相続税評価をもとにした自社株価を無料・最短5分で試算できます。M&A会社へ相談する前に、まずは自社の価値を確認し、納得のいく事業承継への第一歩を踏み出しましょう。

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清水敦也

著者

清水敦也

JIDAIOコンサルティング株式会社 代表取締役

  • 税理士(登録番号:138213)
  • M&Aシニアエキスパート

相続・事業承継、非上場株式の評価、M&Aに関する相談に対応する税理士。経営者が自社株の価値を知り、次の一歩を判断できるよう、複雑な制度を実務の視点から分かりやすく解説します。

出典・参考文献

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清水 唯

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